舅、姑との同居。そして2人が死んだ後に。

介護問題

いかがお過ごしですか?

このブログを訪れて下さって

ありがとうございます。

 

認知症になったプライドの高いお舅さんと

お嫁さんのお話です。

 

目次

お父さんができたと思って嬉しかった。

T子さんは幼い頃

父親と死に別れ、

寂しい思いをしてきました。

 

結婚、同居する時には

「私にお父さんができる!」

と 嬉しかったそうです。

 

しかし、同居には苦労は付き物。

別々の考えを持ち、

それぞれ自分の考えが常識だと信じている人たちが

一緒に暮らすのです。

 

嫁であるT子さんは舅、姑だけでなく

近くに住む親類縁者に囲まれて

辛い思いをされてきました。

 

プライドの高い認知症患者

そして、何十年も経ち、

お姑さんが亡くなった時も

T子さんは親類縁者から責められ

悲しい思いをしました。

 

その後、

舅さんが認知症を患いました。

 

地元の名士でもあり

プライドの高かったお舅さんです。

そんな人の認知症は

本人も周りも大変な思いをします。

 

お舅さんは自分のプライドを保ちたいのか

自分が汚したり漏らしたりした失敗を認めず、

嫁のT子さんに酷い剣幕で

怒鳴り散らします。

 

何年も頑張ってきた介護

それでもT子さんは

嫁として何年も介護を頑張ってきました。

そのうちお舅さんの状態では在宅介護は

無理になり施設に入居させました。

 

しばらくして

お舅さんは病気で入院しました。

 

お舅さんが入院している間、

T子さんは病院に毎日通って

お世話をしました。

大変だったと思います。

 

ご本人は仰らないけど、

毎日病院までお舅さんの世話をしに行くのは

気が滅入ってたまらない、

嫌な仕事だったはずです。

 

お舅さんが亡くなった後で。

そしてお舅さんは亡くなりました。

 

四十九日も過ぎ、

口やかましい親類たちも

Tさんの家には来なくなり、

日常が戻って来ました。

 

ある日、Tさんが物置小屋の片づけをしていた時、

壁に打たれた1本の古い釘が

目に入りました。

 

農作業に使うカゴを掛けるために

お舅さんが打った釘です。

 

その釘を見て

「じいちゃんもばあちゃんも、

もう居ないんだ。」

と実感したそうです。

 

そしてT子さんは

悲しみがこみ上げてきて

号泣してしまいました。

 

私はT子さんからこのお話を聞いた時

心が震えました。

 

美しいもの

何十年も一緒に住んでいる間、

お姑さん、お舅さん、親類縁者の中で

孤独を感じ

辛くて悔しくて眠れない日もあったはずです。

 

そんな日々の中でも、

T子さんの心の中には

お姑さんやお舅さんに対する

「情」が育っていたのです。

 

人の心って複雑で、

そして美しいものだな・・・

と思ったお話でした。

 

読んで下さって、ありがとうございました。

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