徘徊するお舅さん

介護問題

こんにちは!

今日も読んでくださってありがとうございます。

疲れてませんか?

あなたが少しの間でも

頭の中を空っぽにして、

ホッとできる時間がとれますように。

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Iさんは50代の女性です。

目次

***放っておけない徘徊***

お舅さんが認知症でした。

そして足腰が強い・・・・。

お舅さんの頭の中では なにか用事があるようで

目を離すとすぐに家から出ていき

どこかに行ってしまいます。

 

Iさんはお舅さんが玄関を出る気配がすると

家の用事も全部やめて

火元だけはちゃんと止めて、

鍵をかけるのもそこそこにお舅さんを追って外に出ます。

 

放っておくと後から探すのが大変なのです。

 

「家の用事は済まないし、

身体は疲れるし、辛い」

と 会う度に仰っていました。

***追っかけるの やめた

そんなことが10年以上続いて、

ある日、Iさんに久しぶりにお会いすると

目に力がみなぎっています。

 

「元気そうね!」

と言うと

「うん!もう、おじいちゃんを追っかけるの、

やめたの!」

 

 

お舅さんの徘徊で、へとへとになったIさんは

ある晩、徹夜して

お舅さんのパンツやシャツなど、靴下以外の着ているもの全てに

名前と住所と電話番号を付けたとのこと。

 

そして次の日からもう、

「徘徊するおじいちゃんを追っかけるのは

やめた!」

と仰いました。

***知らない人の力でも借りる

「ふふっ!死んだら死んだ時さ」

 

「でも・・ご主人が怒らない?」

 

「ふんっ。自分の親なのに10年間も何も世話せずにいて

怒る資格なんかないよ。

 

それに追いかけてないなんて

ダンナには言わなきゃわかんない。」

 

「私はもう、知らない人の力でも借りる。

 

見つけた人が必ず連絡くれるもん。

そしたら 受け取りに行くだけだよ。」

 

「保護してくれた人へのお礼の菓子折りは

10個単位でストックしてる」

 

と Iさんは笑いました。

***覚悟を決めた

「ね!ね!線路に入り込んじゃって、

電車とぶつかったりしたら賠償責任とか、

無いの?」

私は聞かなくてもいいことまで聞いてしまいました。

 

「その時は 家も畑も全部売る。」

笑っていたIさんの目が

その時真剣にギラリと光りました。

 

Iさんは、自分がギリギリのところまで頑張って、

覚悟を決めての行動なんだと

分かりました。

 

お舅さんはその後2年くらいで亡くなられました。