いかがお過ごしですか?
今日も爽やかな日です。
Iさん50代の女性です。
認知症を患うお母さんと一緒に暮らしていらっしゃいます。
目次
外づらの良いお父さん
働き者のお母さんでした。
人も良いけど 外づらはもっと良いお父さんが引き受けてくる些事を
文句も言わずにきびきびとこなしていました。
お父さんは先に亡くなってしまい、
一人になったお母さんは少しずつ認知症が進んできたので
Iさんと一緒に暮らすことになったのです。
お財布にお金があると お父さんがすぐにお友達に貸してしまうので
お母さんはお金を隠していました。
押入れに隠す
子ども達の給食費とか、修学旅行費とか、
当時は封筒に入れて学校に持たせていたのです。
しっかり者のお母さんは そういうお金の入った封筒は押入れに
見つからないように隠していました。
そして子供たちが朝 学校に出かける直前に
さっと押入れから封筒をだしてランドセルに入れて
くれるのです。
押入れで思い出すこと
時が経ち、老いたお母さんはだんだんとトイレを失敗するようになり
失敗した下着を押入れに隠すようになりました。
Iさんが「臭うな」と気付くと 汚れた下着が
ビニール袋に入れて 押入れの隅っこに隠してあります。
その始末をする度に、
お母さんが若かった頃
ひらりっと押入れから封筒を取り出して
素早くランドセルに入れてくれたことを思いだす・・・。
「苦労してきた母なの」
そうIさんは仰いました。
思いだし過ぎないでください
Iさん・・。
たまにならいいですけど、過去を思い出し過ぎると、
辛いこともあります。
今は介護だけでも大変ですから
思いだし過ぎないようにして、できるだけ自分の心を守ってください。
思いだすのはお母さんが亡くなってから。
それでいいと思います。