花火の オ・ワ・リ

介護問題

目次

お元気にお過ごしですか

今日もこのブログを読んでくださって

ありがとうございます。

今年の夏、花火はご覧になりましたか?

 

花火の思い出

私の母の思い出話です。

 

寝たきりになった母は

窓際に置いたベッドに寝ていました。

 

せめて、吹いてくる風を感じたり、

屋外の人の声などを聞かせてあげたいと

思ったからです。

 

介護が要るとは言っても

我が儘も言わず、静かな病人でした。

 

この辺りでは

8月の初めに花火大会があります。

 

部屋の窓から

母の部屋の窓から 大きく花火が見えるのです。

私や子ども達は母の部屋に集って

お菓子やスイカを食べながら

花火を見ていました。

 

花火大会は

ドドーーーン、

ドドドーーーーン、

ドドドドドドーーーーーン!!

終わりに近づくほど派手になりますよね。

 

その頃、まだ喋れた母は

「花火が降ってくるみたい」

と、寝たきりながら 喜んでいました。

 

もう終わったかな?

と思うと、

またドドドドドーーーーン!!

 

これで終わりかな?

と思うと、

ドドドドドドドーーーーーん!!!

 

子ども達が

「いつが終わりかわかんなーい」

とはしゃぎました。

 

花火の終わり

すると母が

「花火が終わる時は

オ、ワ、リ・・って文字の花火が上がるから、

分かるよ」

と 小さな声で言いました。

 

子ども達は冗談に大笑い。

私も最初 冗談かと思って笑いました。

 

不安そうな母

ひとしきり笑った後

ふと母の表情を見ると

不安そうに何かを考えている様子でした。

 

母は本気で言っていたのです。

笑ってはいけなかったかもしれません。

 

その時が、

母には幻覚や幻聴があるんだ・・・

と気づいた最初でした。