体調が悪いわけでも
やる気が無い訳でもないのに
なんとなく気持ちが
空回りしている・・
ここ2週間程、そんな落ち着かない気分が
続いていたため
いつもよりもちょっと
遠出の日帰り吉方を取って来ました。
目的地は
山口県秋吉台の秋芳洞です。
若い頃、何度か訪れた事が有るのですが
指折り数えるとなんと35年ぶり!
この真夏、
毎日30度越えは当たり前ですが
鍾乳洞の中は驚く程涼しく
1年間を通じて18度との事でした。
鍾乳洞に近づくと
洞穴の中からサーーっと冷たい風が
吹いて来て
私のおでこの
汗でベタベタと湿った前髪を
爽やかに揺らしてくれます。
朝早くからカンカン照りで
タコみたいに
ぷううっと茹で上がった私の
頭や顔を冷やしてくれました。
鍾乳洞の奥から流れてくる水は
何故か浅い所でも青緑色です。
水温は夏でも冬でも15度です。
鍾乳洞の中は
真夏の半そで1枚の服装では
少し心許ないような涼しさでした。
私が大学に通っている頃、
何度かここに来ました。
大学生の割にはとても子供っぽくて
どうでも良いような事にムキになったり
反対にしっかり取り組むべき事に
無頓着で、
自分の命が
永遠に続くような気が
していた頃も・・・
そして、あれから35年が経って
「あら、ヤだわ、早く白髪染めしなくちゃ!」とか
「時々膝が痛むのよねぇ」とか、
「老眼鏡が無いと
なーんにも見えないの、おほほ」とか言って、
それでもまだ
当分は自分の命が
続いていくと信じている今も・・・
鍾乳洞から噴き出す
冷たい風や
鍾乳洞の中のヒンヤリした湿気は
全く変わっていません。
鍾乳石は地上の大理石を
雨が溶かし、
その雨水がしみ込んで
洞窟内でポタポタと雫として落ちていく時
もう一度石になったものです。
2センチ伸びるのに
500年かかるそうです。
人間とはまるで違うサイクルで
動いている地球。
その表面で「暑い!」とか「寒い!」とか
変わりばんこに愚痴りながら
私は生きているのだな、
と思いました。
洞窟内が涼しかったから
そんな事を
考えたのかも知れません。
日常とはまるで違う
空間ですから。
1㎞の歩道を往復して、
暗い洞窟から再び外に出ると・・
眩し過ぎる、
鮮やか過ぎる、
賑やか過ぎる、
そして蒸し暑過ぎる、
元の世界です。
さっきまで悠久の時に、
思いを馳せつつ
諸行無常・・みたいな気持ちに
なっていたのに・・・
「と、と、と、とりあえず、
アイスを食べよう!」とか言って、
バニラアイスにするか
梨アイスにするかが
私にとっての大問題なのです。
いろいろとゴタゴタあたふたし、
てんやわんや、すったもんだ、
私が生きているのは
そんな日常です。
でも
大きな時の流れを感じたからこそ・・
自分の小さな小さな人生を
大切にするのは私以外に居ないのだ、
と強く思い、
ささやかな人生でも、
自分にできる精一杯で
生きていきたいなぁ
と思いました。
また、新しい気持ちで
毎日を暮らして行きます。
ちょっと遠出の吉方取り、
元気をチャージ出来た、
山口県秋吉台の秋芳洞でした。