Hさん、50代女性です。
実のお母さんが認知症になり、
自分の家に引き取りました。
目次
**献身的な介護
Hさんは奉仕の精神のある女性です。
信心深く、人に何かをしてあげたいと
いつも思っていらっしゃる人です。
お母さんをひきとり、Hさんは献身的に介護をし始めました。
朝御飯には毎食必ず新鮮な果物を出したり、
お母さんの好物を出して、少しでも食が進むように頑張りました。
お母さんは頼れる娘のところでほっとしていたようでした。
**介護生活は続く
しかし、1ヵ月、3ヶ月、半年、1年・・・
介護生活は続きます。
悲しい事ですが認知症は回復は難しいです。
してあげても、してあげても、もう「ありがとう」とは
言わないお母さん。
朝食を食べさせていて 他の用事ができ Hさんが席を離して
また戻ってみると・・・
お母さんの身体は右側に大きく傾いて 斜めになっており、
そのまま、じっとしていました。
これは 割と認知症の高齢者にはあることです。
**怒鳴ってしまった
勉強熱心で認知症の勉強もしたHさんは、それは分かっていました。
それなのに・・・・
「お母さんっ!!もうっ!!!座るくらい、ちゃんと座ってよっ!!」
Hさんはお母さんに大声で怒鳴ってしまいました。
そして・・
「怒鳴ってしまいました」と告げた後、
Hさんは一生懸命声を殺して、長い時間、泣かれました。
**優しいお母さん
すごく、疲れているんですね。
自分を育ててくれた親だから、その恩返しと思って
介護されてるんだと思います。
怒鳴ったとしても
お母さんは心の芯の所で
Hさんの心をちゃんと分かっていて・・・
そして許してくれていると思います。
優しいHさんを育てた、優しいお母さんなんですから。