毒親から逃げた女性
その女性は鑑定の後に
とても丁寧なメールを下さいます。
とても頭の良い方で
年齢にしてはちょっと古風かな?
と思う様な
美しい言葉遣いをされます。
メールを読むと
鑑定結果を真摯に受け止めて下さり
行動もして下さっている事が分かり、
有難いなと思っていました。
けれど整然と綴られた
その文章の中に
とても悲しい言葉が有りました。
その言葉とは
「私は幸せになってはいけないと
思っていました。」
です。
美しい日本語を使い、
私の鑑定を労って下さり、
毒母に苦しみながらも
ご主人と2人で
ささやかな幸せを望んでいる女性が
「幸せになってはいけない」
などと言う事が有るでしょうか?
その言葉を読んだ時に
切ない気持ちでいっぱいになり
「幸せになるのは義務です」と
少し強い言葉で返信しました。
あっさりと切り替えてしまった私
けれど私はその後、
いろんな用事をするうちに、
その悲しい言葉を
そのまま忘れていました。
久しぶりに帰省した子供達の為に
大量の料理を作ったり、
やっと就職した息子に
「あ、まだあと1か月間は仕送り要るんだ」
と気づいて呆然としたり、
「洗濯物は洗濯機!!もうっ」
と怒ったりしながら
最後は夫とビールを飲んで、
賑やかに1日を終えたのでした。
今朝、夜明け前に、
ふと目が覚めて
彼女のメールの言葉を
思い出しました。
「・・私は幸せになっては
いけないと思っていました。」
その人の幸せを願うのが鑑定士の幸せ
暗い部屋で目を開けて
「幸せになっていい・・」
と心で呟きました。
鑑定をしている時は
一生懸命だけど、
自分の日常に戻れば
自分の事で頭がいっぱいになる私。
こんな私なのに鑑定を頼んで下さって
そしてあんなに丁寧なメールを
送って下さった彼女。
彼女の傷ついた心が
どうか少しでも癒えます様に。
できれば彼女の日常が
雑多な幸せな用事でどんどん埋め尽くされて
辛い母親との関係を
思い出す時間が減りますように。
悲しい心を抱えてはいるけど、
大笑いするような、
忙しくて大騒ぎするような、
そんな日常が過ごせます様に。
彼女は複雑な思いを抱きながらでも
幸せになれる人です。
鑑定でも彼女の運の強さは
出ていました。
もしも私が鑑定士をしていなければ
一生出会う事も無かった女性です。
遠い所に住む
直接には会った事のない人の幸せについて
こんなに考えるなんて、
不思議な気持ちがします。
私は、まだ暗い部屋の中で
「彼女は今、ぐっすり眠れてるかな?」
と考えました。
人の幸せを願えるのは
幸せな事です。
反対に 誰かの不幸を願うのは
不幸な事です。
私は彼女から
「人の幸せを願う」という
幸せを頂きました。
鑑定士になって良かった、
もっと修行して良い鑑定士になろう、
と思います。
私に鑑定を依頼して下さって
本当にありがとうございました。