いかがお過ごしですか?
このブログを訪れて下さって
ありがとうございます。
私の父は認知症と言うのとは
ちょっと違うのですが・・・
目次
父の考案した尿取り器
以前 父が足腰が弱って
立ち上がれなくなった時、
父に尿取り器を作れと言われていた事が
あります。
その構造はちょっと考えれば
無駄だと思うようなものでした。
父の考案した尿取り器とは・・
漏斗がついてて
そこに尿をする。
その漏斗からホースをつなげて
ホース内を流れる尿が最終的に
画板のような板に設置された丈夫な袋に
収まるというもの。
ちなみにホースの長さは
自分が寝返りを打つ余裕が必要なので
1,5メートル程度、だそうです。
![](https://9seikigaku.com/wp-content/uploads/2018/11/tree-207584_640-300x200.jpg)
弱くなった筆圧で紙に図を描き
私に説明します。
その場面を思い出すと
少し悲しい気持ちになります。
父は衰えた頭で衰えた自分の体を
なんとかしようと考えていたのです。
尿瓶の方が100倍良い
でも誰がどう考えても
尿瓶の方が100倍良いです。
だいたい高低差もないのに1.5mのホース内を
尿が流れていくわけがありません。
漏斗をつけっぱなしにして
寝返りなんて出来るわけも無いし、
それに漏斗はどうやって体に装着すると
言うのでしょう?
万一そんなものを使えば
漏斗からあふれた尿で布団や洋服は
毎度毎度大変なことになり、
それを洗濯するのは私なのです。
![](https://9seikigaku.com/wp-content/uploads/2018/10/liverwort-3159876_640-300x200.jpg)
しかしどんなに説明しても
そんな理屈は父の頭に入ってきません。
とにかく 漏斗、ホース、板に打ち付けた袋、
それらを組み合わせて
自分の体に取りつけると言い張ります。
設計図を見せて
私に作れと言うのです。
いつまでも続く説教
父は 言う事を聞かない私の心掛けが悪いと
度々説教していました。
私は口には出しませんでしたが
「もう 直接尿道にチューブを刺してもらえば
いいじゃん」と思っていました。
その後 肺炎で入院して 実際に導尿されました。
しかもその入院で頭がすごく呆けて
(不思議なことに その後回復)
考案した尿取り器のことは忘れてくれました。
![](https://9seikigaku.com/wp-content/uploads/2018/10/hospital-1802680_640-300x198.jpg)
けれどそれまでの3~4か月、
父は尿取り器の事を思いつめて
私に作れ作れと言い、
作らない私に説教を続けていたのです。
入院しなかったらずっと言い続けていたと
思います。
使用済みのオムツを再利用?
一時期、自分の使用済みのオムツを
天日で干して再利用すると
言い張っていた事もあります。
![](https://9seikigaku.com/wp-content/uploads/2018/11/laundry-1350593_640-300x168.jpg)
新しいオムツを履かせてもらう度に
オムツを再利用しない私を
ずっと説教していました。
あんまりうるさいので
2回くらいは言う通りにしました。
臭いもきついし、嫌でした。
私の場合は
実際の介護の作業よりも
こういった精神的ダメージの方が
辛かったです。
私は父に説教されながらオムツを履かせている時、
すんなりとオムツ替えをさせてくれて
「ありがと」と言ってくれた母を
懐かしく思い出していました。
懐かしく思い出す母が
オムツ替えの時の母だなんて
あの頃の私はちょっと可哀そうだったなと
思ってしまいます。
![](https://9seikigaku.com/wp-content/uploads/2018/12/books-2306385_640-300x167.jpg)
健全な関係とは?
今なら私はあの時どうすれば良かったのか
はっきり分かります。
父に「自覚がないかもしれないけど
頭がボケてるよ。
そんなバカバカしい事に付き合うほど
私は暇じゃないの!」
と言い放てば良かったのです。
でも年老いた親にそれを言うことが
できませんでした。
もうすぐ死んでしまうだろう親に
「バカバカしい!」と言ってしまえば、
きっと自分を責めるだろう、
もっと自分は傷つくだろうと 怖かったのです。
怖かったから
我慢する方を選んでいたのでしょう。
私は弱すぎました。
弱すぎる余り言うべきことも言えず
心の中に不満を溜めて、
「もう、死んでくれたらいいのに」
と思っていました。
![](https://9seikigaku.com/wp-content/uploads/2018/10/sunrise-3712483_640-300x200.jpg)
そんな私の気持ちは
人の機微を観察することしか
やる事の無い父に伝わって、
さらにひねくれた言葉を
喋らせていたのだと思います。
相手が年老いた親であっても
言うべきことは言えば良かったのです。
そのせいで怒鳴りあいになっても
その方がずっと健全な関係だと思います。
どのみち傷つくのなら、本音で付き合う。
にこやかで和やかな介護なんて
夢みたいな話です。
私は自分の心を捻じ曲げながら
そういう介護を演じていたのでした。
2~3年で終わる介護なら
お互いを騙しあうことも
できたかもしれません。
でも介護はもっと長く続くことが多いです。
私の演技には
父本人が、騙されてはくれませんでした。
かえって辛い思いをさせたと思います。
私の考え方が間違っていました。
表面を取り繕わず、
勇気を持って子供のころからの親子関係を見直し、
本音で付き合えば良かったと思います。
![](https://9seikigaku.com/wp-content/uploads/2018/09/pocket-watch-1637392_640-300x200.jpg)
あなたの隣にいる人と
上手にコミュニケーションを取る方法が
分かります。