毒親育ちの妊娠
子供時代に親から虐待を受けて育った人は
妊娠が分かった時に
悩む人が多いのです。
ここでいう虐待は
肉体的な虐待だけでなく
言葉の虐待も含みます。
子供の頃、辛辣な言葉を
母親から受け続けていた、
ある女性が妊娠しました。
T子さんとさせて頂きます。
「自分が子供を産むと
母親のような酷い子育てをしてしまうかも・・」
と心配になり、夜に眠れなく
なってしまいました。
彼女の母親は暴力は
降るわなかったけれど
ほんの小さな事で機嫌が悪くなり、
T子さんに酷い言葉を浴びせていました。
「アンタなんか
もともと欲しくて産んだ子じゃない」
「お前なんか
どこかに行ってしまえ!」
小さな子供に投げかける言葉として
こんなに残酷な言葉が有るでしょうか?
自分の力ではどこにも行けない、
逃げる事のできない子供に
「どこかに行ってしまえ」なんて・・
お手紙:妊娠6か月のT子さんへ
T子さんへ
妊娠おめでとうございます。
今までいろいろ辛い事も有ったけど
もうすぐ貴方も母親に成るのですね。
貴方が子供の頃、お母さんから
「お前なんか
欲しくて産んだ子じゃない」
「お前なんてどこかに行ってしまえ」
と言われた事・・
幼いあなたの気持ちを考えると
私まで悲しくなります。
どんなに不安で悲しかった
ことでしょう。
母親から小さな失敗を罵られ、
泣いても泣いても誰も慰めてくれず、
貴方はその辛さに溺れそうになりながら
逃れる術もなく暮らしてきました。
長い年月、そんな辛さに耐え、
悲しい気持ちを抱きながらも
ちゃんと成長して
貴方は大人になりました。
自分で働き、親から自立して
結婚し、妊娠したのです。
本当におめでとう!!
貴方はとても頑張ってきたと思います。
今も、よく頑張っています。
ご主人も大勢の女性の中から
貴方を見つけてくれて、
一緒に家族になろうと
決心してくれました。
貴方が初めて経験する出産と子育ては
とっても素晴らしい物ですよ。
もちろん大変な事も辛い事も有るけど
こんな大事業は他にそうそう
有るもんじゃないです。
腹を据えて取り組んで下さい。
けれど今、貴方の心の中には
自信の無さや不安が渦巻いています。
母親になるのが怖いんですね。
散々 親に傷つけられてきた自分が
ちゃんとした母親になれるのかどうか。
もしかしたら、自分の母親のように
子供の心を踏みにじり、
心をグサグサと傷だらけに
するんじゃないか。
そして子供を傷つけたまま
ほったらかしにするんじゃないか。
考えれば考える程
不安になってしまいますよね。
貴方はそれだけ大変な子供時代を
過ごして来ましたから。
でも、大丈夫です。
不安になる貴方なら大丈夫なんです。
子育てなんて誰だって不安で
正解なんて有りません。
1番怖い子育ては「自分は絶対正しい」
と思い込んでいる子育て。
1番怖い親は子供が傷つくなんて
想像できない親です。
貴方なら大丈夫。
「子供が傷つくかも」
「自分は間違うかも」
そう思っているんですから。
ご主人にも自分の生い立ちを
正直に話しましょう。
自分が毒親に育てられたから
子育てが不安で仕方ない、
力を貸して欲しい、と頼りましょう。
ご主人は普通のご両親に
育てられた人ですから
貴方がいくら説明しても
毒親の実態を理解しにくいかも知れないけど・・
完全に理解して貰う必要は無いんです。
貴方が「助けて欲しい」と
真剣に思っている事だけ
伝われば良いのです。
「正しい子育て」なんて無いんですから、
誰だって不安で誰だって間違います。
間違えた時はその都度、
子供の目を見て
「ごめんね」と謝れば良いんですよ。
完璧じゃなくて良いんです。
子供を育てるのは貴方1人じゃなくて
ご主人もいるし・・
生まれて来る赤ちゃんに
そのうち出来るお友達も・・
幼稚園や保育園の先生も・・
お散歩途中で出逢う
ワンちゃんだって・・
葉っぱの上に居るバッタだって・・
みんな貴方の赤ちゃんに
優しさや笑顔や思いやりを教えてくれて、
貴方と一緒に子育てをしてくれます。
あなたは大丈夫です。
安心して赤ちゃんを産んで下さい。
子育てが辛くなれば
わあわあ泣きながら
お友達に頼っても良いし、
ご主人のお母さんに頼っても良いです。
もしもそれが恥ずかしかったら、
私にも頼って下さい。
私も躓きながら育児をしてきましたし、
気学であなたの子育ての
注意点もわかりますから。
妊娠は、
思いっきり喜んで良い事なんですよ。
本当におめでとうございます。